インタビュー:2022年9月9日
”サラリーマンとしての将来に限界を感じていた。年齢を重ねるにつれ、地元で働きたいという思いが強まる中、決めては「この人たちとなら挑戦できる!」”
■現在の商売を始めることになったきっかけは?
現在、不動産業の経営者として”ひろめ市場”の管理・運営をしています。
長年、東京・大阪でサラリーマンをしており、若い頃は、地元に帰りたいという思いはありませんでした。
きっかけは、40代後半になった時、家業の酒屋から経営を手伝ってくれないかといった誘いからです。
前職にはやりがいを感じていましたが、サラリーマン管理職として働くことの将来に限界を感じていました。
また、年齢を重ねるごとに地元高知で仕事をしてみたいといった気持ちも膨らんできました。
その後、酒屋で営業職を任され奮闘する中で、関連会社である「ひろめ市場」の経営をしてみないかといったお話をいただきました。
決め手となったのは、前任の社長とスタッフの方々にお会いした時です。
「この人たちなら一緒にやれるかな」といった思いが自信に繋がりました。
”自分が言ったことで全てが決定してしまう重圧とやりがい!”
”現場を知ることは何よりも大切!現場スタッフには感謝の日々!”
■サラリーマン時代の管理職と中小企業の社長としての立場の違いは何でしょうか?
自分が言ったことで全てが決まるというのが一番の違いです。
重圧に耐える日々ですが、その分やりがいもあります。
社長になってすぐにコロナの影響による現場の人手不足が生じました。
その際、私は現場ヘルプに入りましたが、その時、現場の大変さを初めて目の当たりにしました。
それ以来、現場の方々には日々感謝をしています。
「ありがとうございます。」という意識を常に持っております。
”大きな問題を解決するためには、社員の方々と意識を共有することが大切。
そのためにもまずは、目の前の問題を一つ一つ解決していく必要がある!”
■社長になって2ヶ月ですが、苦労していることなどはありますか?
会社の在り方に関して、社員の方々との意識のギャップを感じています。
経営者としてこうありたい会社の形があり、そのためにも現状の改善が必須ですが、長年勤務をしていて現場に愛着を持っている社員の方々は、その現状を容認してしまっているように感じます。
しかし、社員の方々も現場で働いている中での問題意識は持っており、それを改善できず立ち止まっているということに気がつきました。
今思うのは、この問題点を一つ一つ解決することが大切だということです。
大きな問題を改善するためには、今ある小さい問題を解決しないといけないかなと感じています。
それが解決したら、社員の方々に自信がついて、次ちょっと難しいことやろうかなっていう気持ちも芽生えるのではないかと思います。
”飲食店業としては安心安全が最優先!その上で、高知のエンターテイメントの場所でありたい”
■今後の目標などはありますか?
ひろめ市場は、楽しんでもらえるような場所にしたいです。
地方の魅力は、やはり”人との出会い”だと思います。
それを根底として、観光客には、地元の人とたくさん触れ合っていただき、ワクワク感や新たな発見をしてもらいたいと思います。
”都会での生活を経験したからこそ、地方での心の豊かさをより実感できる”
■元々都会でお仕事をされていたということですが、地方で働くことの意義や、やりがいは何ですか?
都会とは違い、心の豊かさがあると感じます。
地方に行けば行くほど、人との繋がりは深くなります。
子育てをするにも最高の環境だと思います。
都会には最先端の技術があり、それは魅力的だと思います。
私自身前職の時は、自分の若い部下には、「大阪に出たら東京に行きなさい。東京にいる時は、希望して海外の会社に行ったほうがいい」と言っていました。
その分野で一番最先端を見た方がいいのも事実です。
しかし、いつかはその生活にも疲れますので、その時にやっぱり田舎って一番いいなと感じました。
”お互いに刺激し合える関係を築ける”
■地方に移住する際、都会での経験は役に立ちますか?
役に立ちます。
都会は情報が多いので、それを地方に持ってきて共有することで、地方の方々の刺激になります。
最近は、海外に住んでいた方が、高知に移り住むケースも増えていて、その方たちを中心に新しい試みに挑戦するのは、結構今多いですね。
”人間関係はメリハリが大事”
■他県から移住する方が地元に溶け込むコツはありますか?
仕事以外でのコミュニケーションを大切にしています。
「高知の方は飲食共にして仲良くなることが多いので、そういう席は出た方がいいよ」と言われました。
積極的に私は行きますが、プライベートな時間とはきっちり分けています。
自分が住むところは、仕事場と適度な距離のあるところにしていて、プライベートのところは完全に分けています。
”家族であるからこそ適度な距離感。困った時に頼れるのもファミリーならでは”
■ファミリービジネスとしてのデメリット、メリットは何ですか?
デメリットは、経営や商売に関して周りからウェットな感じの話が出てくることです。
判断に迷う時は、ひろめ市場にとって良いか、悪いかということろで決めています。
また、家族であれど適度な距離感を持つことを心がけています。
ギクシャクした時は、冷却期間を置いて、冷静になってまた話し合ったりします。
基本的になんか言われそうな時は、ここに逃げたりします。笑
メリットは、困った時に力を貸してくれることです。
私の場合、幼少期に高知を離れているので地元の知り合いが限られています。
仕事で困った時に相談できる人脈も少ないです。
今のおばの社長や私の父は「困った時には誰々に電話してごらん」といった助け舟を出してくれます。
そんな時、ファミリービジネスはありがたいと感じます。
”モヤモヤの解決が全ての根元”
■ワイワイ塾に参加されたきっかけと参加されてからの感想をお願いします。
酒販部門営業をしていた際、この状況をなんとか打開したいけど何をしていいかがまず見えてない時、きっかけが欲しいなと思って応募しました。
会社員時代は通り一遍で研修を受けていましたが、今回は心構えが大分変わりましたね。
研修の初めに言われた、「モヤモヤを解決しませんか?」という問いは、シンプルではあるけど全ての根元でもあり刺さりましたね。
事業計画書を作成する際、まず、自分の給料もち含めるといった視点はありませんでした。
中小企業、零細企業の社長ってまずそれ抜くのかなと思ってましたので。
”自身が講師となり、研修で学んだ「モヤモヤ解決作業」を自社でも社員と実践”
■研修で学んだことを社内でどのように生かしていますか?
結果として、まだまだ活かしきれていないのが現状です。
しかし、研修で学んだモヤモヤを解決する作業を社員と一緒に実践しています。
自分だけ学んで一人で動いても、振り返ったら誰もいないという状況が一番嫌ですよね。
一緒に働くスタッフにも、外部で学ぶ機会が必要だと思います。
刺激になり、考え方等も変わるかもしれません。
本当はワイワイ塾を受講してもらいたいのですが、その分の時間や人員を確保することが難しいですね。
中小企業もレベルアップしないといけませんが、その点は中小企業にとっての課題です。
いろんな人によく言われますけど、社員教育にお金を使わない会社というのは潰れる。
私も、その通りだと思います。
”情熱を継続すること!地方でのビジネスは一人ではないと実感できる”
■スモールビジネスを既に始めている、または、これから始めようとしている方にアドバイスをお願いします。
情熱を持って継続することが大切だと思います。
商売をはじめる時は、みんな情熱を持っていますが、続けることができる人が少ないです。
私は、自分の中で熱くなりすぎないことを心掛けております。
「打ち上げ花火」じゃなくて、「線香花火」でやっていこうと。
これからスモール・ビジネスを始めようと考えている方は、是非はじめてください。
大都会で最先端に触れ、人と競争をするのではなく、周りと共存共栄しながら働くことができるのは地方ならではの魅力だと思います。
多分地方に来たら1人じゃないっていうことを実感できると思います。
それは、私自身がそう感じています。
東京にいた頃は周りにあんなにたくさん人がいるっていうのに、1人ぼっちな感じがしましたからね。
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