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【島根県スモール・ビジネス育成支援事業④】夢を諦めきれず、木工職人の道へ!地元の材料を使いロングセラーデザインの家具を生み出すべく、夢の実現に奮闘する「hirven woodworks」沖原昌樹さんへインタビュー!

更新日:5月20日

(インタビュー実施日:2023年6月15日)




違う道に進んだことで自分の本心に気がついた”


■なぜ木工職人を目指されたのですか?


大学時代に一人暮らしをしていた際、インテリアに興味を持つようになりました。卒業後、木工の専門学校に入学をしました。その際、理想と現実のギャップについていけず、一度は木工の道を離れ、海外でのボランティアなどに従事しました。

しかし、やはり自分のやりたいことは木工であると感じ、帰国後、浜田の組子細工の会社に就職、そこで10年間勤務しました。

就職した当初から、将来は独り立ちして起業をしたいといった思いはずっと持っていました。



”自分の人生を歩みたい”


■起業をしようと決意したきっかけは何ですか?

会社勤務の中、安定した生活に慣れてしまい、このままでも良いかなといった気持ちが生じた時もありました。

しかし、会社の方向性と自分のやりたいことが違うと感じることが増え、やはり自分の思いを押し殺すのではなく、自分の人生を歩みたいと思うようになりました。

妻と2人暮らしでチャレンジしやすい状況でしたし、リスクを恐れながら、会社で頭を下げ、ずっとやっていくイメージが思い浮かびませんでした。

チャレンジできる、今がその時だと思い、独立を決意しました。会社を辞める際、業界を知る会社の上司から独立を止められましたが、それが逆に原動力となり、成功しようと強く思うようになりました。



”前職の延長線上での起業がプラスに。差別化は大切”


■起業して一年ほど経ちますが、成功したこと失敗したことを教えて下さい。

前の職場と同じ地域で独立したことで、トラブルが生じたり、お客様から敬遠されるのではないかといった不安がありましたが、逆にそのネットワークを通じ、以前関わった方からも声をかけて頂けたことは良かったですし、前の職場で自分がやっていたことが間違いではなかったという気持ちにもなりました。

仕事は忙しい一方、商品を製作する労力に見合う分まで利益を出すことができないことは今の悩みどころではあります。しかし、失敗とはとらえず、仕事は常に楽しみながらやっています。




■事業実施にあたり、県からの補助金を受けられた感想をお願いします。


この補助金がなければ事業を実施することは厳しかったと思います。


補助金名に「スモール・ビジネス」とあったので、自分に適しているのではないかと思いました。内容を確認すると、「対象者が地域資源を活用し、外貨を獲得する事業者」となっており、まさに地域の木材を活用してビジネスを行っている自分にピッタリだと思い、補助金交付の申し込みをさせていただきました。また、創業後であっても申し込みができる点など、私のビジネスのタイミングとも合っておりました。

 この工房もそのおかげでリフォームができ、お客様にも来ていただける環境になりました。


”材料に拘り、製作する上でのストーリーも含めて買っていただく”


■他社の製品とどのように差別化を図っていますか。


木材に拘り、丁寧に作るようにしています。

私が大事にしているのは、私が製作した木製品に触れて温かいな、癒されるな、といった気持ちを感じてもらうことです。

使用した木材はできる限り樹種、産地、特徴をお伝えしています。木を一括りにしている方が多いと思いますが、やわらかい木もあれば、鉄のように固い木もあります。

安価で買えるような大量生産型の家具は、工場で量産されているため、どんな人が作ってるのかは想像できないですよね。だけど、私が作ったものを、私のことも知っていただいて、選んでもらいたいです。家具を生活に取り入れる際、あの人がこう作ってるんだなと、その背景とかストーリーを全てわかった上で、選んでもらいたいという気持ちがあります。




”職人としての拘りよりもお客様の思いを大切に”


■職人として作りたいものがある一方で、お客様の要望に答えなくてはならないこともあるかと思いますが、その折り合いはどのようにつけていますか。


私が人気作家であれば、自分の拘りを持って追求することは良いと思いますが、今はその立場にいないのでお客様の意向は大切に考えています。

お客様とじっくり相談をして、お客様の予算や希望に添える範囲で製品を作っています。

同じデザインであっても材料や細部に拘り、時間をかけて製作する時もあれば、時間をか

けず、シンプルに製作する時もあります。

勿論、職人としてどんな物を作るにしても手を抜くつもりはありません。



”地域への思いが伝わるからこそ、受け入れてもらえる”


■移住する際に地域の方と上手くやっていく秘訣は何ですか?

今住んでいる地域に全く住みにくさを感じていません。近所のお年寄りの方々もたくさん話しかけてくれます。

やっぱり地域の方と話すということは大事なことだと思いますね。挨拶は絶対しますし、 その方が可愛がってもらえるかなと思います。

地域の方たちのために何かできれば、木工で地域を活性化できればという思いで事業に取り組む中、地域の木を使って地域を盛り上げようと活動している団体にも入り、そのような思いが地域の方にも伝わっているというのも地域の方と上手くやる秘訣かもしれません。



”長く愛されるデザインを生み出すこと”


■今後の夢や目標を教えてください。


誰からも愛されるロングライフデザインになるような定番のデザインを作りたいです。

私が死んだ後にも、あの人が作ったんだよね、なんて言われたら最高です。

作ったものがどんどん売れて、人気作家みたいになるのが夢ですよね。製作の依頼もお客さんから直接いただき、色々と製作の依頼が増えると嬉しいです。



”人生やらずに後悔するならば、やって後悔した方が良い”


■起業をためらっている方へアドバイスをお願いします。


やらずに諦めるのではなく、やりたいことはやった方が良いと思います。始めるのであれば、気力体力がある早いうちが良いと思います。

好きなことを仕事にしない方が良いという考えで生きている人、好きなことを諦めて違う仕事をしている人、このような人たちがたくさんいると思います。私は好きなことを仕事にし、生き生きしている人と関わりたいと思っています。技術力は負ける部分もありますが、仕事への愛情は負けない自信があるので、それはお客様にも伝わるのでは無いかと思います。


”地方こそ最先端”


■スモール・ビジネスを始めようと考えている人へメッセージをお願いします。


今までは、東京は何でも揃っていて最先端な場所だと思っていましたが、ある時期から田舎の方が最先端なのではないかと思うようになりました。

ここは材料も揃ってますし、生産工場もあり、ショールームにもなります。そうなると私にとっては、ここが最先端であり、かつ最高な環境だと感じるのです。

あとは発信することだけですが、今の時代、発信の方法はたくさんあり、多くの人に見てもらえると思っています。そうなると地方で商売をすることに負い目を感じる必要は無いかと思います。

地方で商売をすることに自信を持って始めて欲しいです。


”日々夢を追っている感じ”


■沖原さんにとってスモール・ビジネスとは何ですか?


いつかは名作と呼ばれる物を生み出したいという気持ちがあるので、それに向かって日々少しずつでも階段を登って、夢の実現に近づけるようになると良いですよね。

スモール・ビジネスでたくさん儲けることは難しいかもしれませんが、生活のゆとりや自然との繋がりを大事にしたいのならば、地方でビジネスを始めることはとても良い選択だと感じます。




















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